【遠方の実家】トイレが壊れた・におう・使いづらい…子世代が代行できるリフォームとは

高齢者の親にとってトイレが古く不便だと、日常的にストレスを感じたり、転倒のリスクがあります。
子世代がリフォームをしたくても、「遠方なので工事に立ち会えない」「自分は仕事や育児で帰省ができない」ために、手つかずになっているケースもあるでしょう。

そのようなお悩みをお持ちでしたら、遠方からでもリフォームを受け付けている業者に相談してみてはいかがでしょうか。
この記事を読むと、遠方に住んでいても安心してスムーズに実家のトイレリフォームをする方法や、トラブルの実例、実際の進行ステップがわかります。

1．よくある実家トイレのトラブルと子世代の悩み

実家のトイレが古くて子世代が気になる点について、4つほどご紹介していきます。

（1）和式トイレで膝が痛い／便座が古くて不快

昔ながらの和式トイレは、利用する際にしゃがむので膝が痛くなることがあります。
また、洋式トイレであっても、古くなりすぎていて汚れが落ちず、トイレを使うのが不快というケースがあります。

（2）においが取れない／カビ臭が気になる

リフォームせずに長く利用しているトイレだと、壁や床に染みついた飛沫が臭いにおいを発生させるため、清掃してもなかなか取れないケースがあります。
湿気によってカビが発生しやすい環境なので、タンクの中や便器のフチのカビのにおいも気になるでしょう。

（3）レバーや水流が弱い／水漏れしている

長く使用していると、経年劣化の影響でタンク内部の部品が故障したり、給水管・止水栓のパッキン部分が割れたりするなどして水漏れが起こります。
また、タンクに水が溜まるまで時間がかかり、水流が弱くなるケースがあります。

（4）親が困っているが自分は立ち会えない

実家のトイレが不便で親も困っている場合、近くに住んでいればリフォームや修理に立ち会うことが可能です。
ところが、遠方にお住まいだと、依頼はするものの自分は工事に立ち会えないという問題があります。

2．なぜトイレリフォームは“放置NG”なのか？

トイレに不具合が起きた場合、なるべく迅速に対処する必要があります。
なぜ、トイレリフォームは放置しておくことがNGなのかについて解説していきます。

（1）ヒートショックや転倒のリスク

高齢になると、トイレに入った際の温度差によってヒートショックのリスクが高まります。
特に冬場は、便座や室内の温度調整ができない状態だと危険です。

また、立ちくらみなどで転倒するリスクもありますので、手すりなどが整備されていない場合はすぐにリフォームをして予防するのがよいでしょう。

（2）水漏れやにおいが家全体の劣化につながる

トイレの水漏れを放置しておくと水道代が余分にかかるだけでなく、水漏れがさらに深刻化し、床や壁に被害を及ぼす危険性があります。

においを長く放置しておくと、壁や床に染みついて清掃では取れなくなってしまいます。
トイレに近い部屋でも悪臭がして、くつろぎにくくなるでしょう。

（3）要介護認定や在宅医療に影響するケースも

高齢者にとってトイレの使いにくさは、要介護認定に影響します。
介護が必要になったときも、使いにくいトイレでは不便です。

また、親後さんに自宅で過ごしたいという希望があっても、自力でトイレに行けなくなったら許可されないケースがありますので、使いやすいトイレの環境を整備することは大切です。

（4）トイレの快適さは「暮らしの質」に直結する

毎日何度も利用するトイレだからこそ、清潔さが重要です。
清潔なトイレは心理的な安心感を得ることができ、リフレッシュして日常生活を過ごすことができるのです。

トイレの快適さは暮らしの質に直結するからこそ、不具合のあるトイレはただちにリフォームして気持ちよく生活できるようにするのがよいでしょう。

3．遠方からでもリフォームできる？代行の進め方とよくあるリフォーム事例

遠方に住んでいる場合で、親に代わってリフォームを依頼する方法と、実際のステップ、費用相場の目安について解説していきます。

（1）遠方からリフォームを依頼する方法

遠方に住んでいる方とリフォーム業者との打ち合わせは、「電話」「LINE」「Zoom」といったツールを利用します。
打ち合わせのためにわざわざ遠方まで出向く必要はありません。

現地調査は、住人である親御さんの立ち合いのもとで行います。
その際に、親から希望などを伝えてもらってもよいでしょう。

現地調査後、どんな機能のトイレにするのか、内装はどうするのかなど、ニーズを元に写真や図面を活用したプラン提案をしてくれます。
工事中の写真やリフォーム後の写真を報告する仕組みがあるかも、事前に確認してください。

（2）よくあるリフォーム事例と工期・費用相場

よくあるリフォーム事例と工期、費用相場についてご紹介します。

トイレのドアを引き戸にする、手すりを設置する、タンクレストイレに交換するなどを組み合わせたリフォームの場合、セット料金プランを用意している業者もあります。
また、既存のトイレの状態によっては、工事費用が高くなる場合もあります。

リフォーム事例	工期目安	費用相場
手すりの設置	1時間から2時間	約5万円
和式トイレの洋式化	2日間から3日間	35万から60万円
便座のみ交換	1時間から2時間	2万から23万円
ドアを引き戸に交換	1日	約15万円
タンクレストイレに交換	1日	13万から35万円

（3）介護保険やリフォーム補助金の活用

トイレのリフォーム工事には、介護保険や補助金の利用が可能な場合があります。
以下に挙げた以外にも、各自治体によって補助金・助成金制度が異なりますので、事前に確認するのがよいでしょう。

介護保険

高齢者の自宅のトイレであれば、介護保険の助成を受けることができます。

対象：要介護・要支援認定者のバリアフリー工事
工事内容：和式から洋式への交換、手すりの設置、引き戸への交換
補助金額：上限20万円（工事費の7割から9割）

長期優良型住宅リフォーム推進事業

手すりの設置やトイレの増設（三世代同居対応）などであれば、「長期優良型住宅リフォーム推進事業」が利用できます。

補助金額：80万から210万円（補助率1/3）

子育てグリーン住宅支援事業2025

節水型トイレの導入であれば「子育てグリーン住宅支援事業2025」が利用できます。

補助金額：上限原則20万円（ただし世帯や住宅区分によって変動）

4．安心して任せられる業者選びのポイント

トイレリフォームは、実家が工事対応範囲に入っている業者から選んで依頼することになります。
その際の業者選びのポイントについて解説していきます。

（1）高齢者住宅・実家リフォームの実績が豊富か

まず、大事な点は「実績」です。
実績が豊富ということは、地域からの信頼度も高いという証拠になります。
業者のWebサイトには、実際の工事の写真や口コミが掲載されていますので、しっかり確認するのがよいでしょう。
その上で、高齢者住宅のトイレリフォームの実績がある業者を選ぶのがおすすめです。

（2）オンライン打ち合わせ対応・柔軟な連絡体制があるか

遠方に住んでいるため状況の確認がしにくいからと任せっぱなしにすると、ニーズを満たさないリフォームになってしまう恐れがあります。
オンライン打ち合わせに対応している業者なのか、担当者と柔軟に連絡が取りあえる仕組みかどうかにも注目するとよいでしょう。

（3）親世代への対応が丁寧か

親世代は最新機能のトイレについて知識がありません。
その点をわかりやすく説明してもらえることで、はじめて親も自分の希望を伝えられるようになります。
一方的に説明するだけではなく、気遣いができてニーズを引き出してくれる業者がいいですね。
言葉遣いなどのマナーが丁寧かどうかは、電話で話すことで確認できます。

（4）施工技術は確かか

トイレのリフォームについては、工事負担額が500万円以下の軽微な工事になるため、建設業許可がなくても施工可能です。
しかし、安心感という点では、建設業許可を取得しているのか、経験豊富な大工さんがいるのかどうかに注目すべきです。
施工技術に自信を持っているのかどうかは、Webサイト上で公開されている情報を確認するのがよいでしょう。

（5）介護保険・補助金制度の活用が可能かどうか

国の補助事業である「住宅省エネ2025キャンペーン」の「子育てグリーン住宅支援事業2025」は、業者が申請をします。
事業に登録していない業者は、補助金の申請ができませんので、交付されることもありません。
各自治体の助成金なども対象業者かどうかで利用できるかが決まりますので、介護保険や補助金制度に対応している業者なのかどうかは、事前に質問して確認しましょう。