【アパートオーナー様向け】給湯器交換の進め方と費用相場、上手な交換のポイント
賃貸アパートの給湯器は、故障した給湯器のみを交換することもあれば、一斉に交換するケースもあります。
賃貸アパートの給湯器は、導入する時期は同じでも故障するタイミングはバラバラだからです。
取り換えによる費用は、交換の仕方で変わってきます。
ここでは、それぞれの取り換え方による給湯器交換の進め方とそれぞれの費用相場について詳しくご紹介します。
上手な給湯器の交換方法について知りたいアパートオーナー様は、ぜひ参考になさってください。
目次
1.アパートの給湯器交換の進め方
賃貸アパートの給湯器を個別交換する場合は入居者の方からのお申し出により実施することが多く、一斉交換はオーナー様主導で進めるケースが多いです。
(1)個別交換する場合
お湯が出ないなど、給湯器の故障に最初に気がつくのは入居者の方であり、アパートオーナー様は入居者の方からの連絡で故障の事実を把握します。
給湯器の故障は、入居者の方からすると生活に支障が出る問題であるため、場合によっては自分で修理や交換依頼をする方もいます。
ただ、給湯器の修理・交換を入居者の方が勝手に行ってしまうと、費用の負担を巡ってトラブルとなる恐れがあります。
給湯器に不具合が生じた際の対処方法は、入居時にしっかり伝えておく方がよいでしょう。
入居者の方から故障の申し出があった際は、給湯器が使用できなくなったときの状態および、給湯器の「メーカー」「型式」「製造年月日」を確認してください。(故障例:お湯が出ない、お湯がぬるい、追い焚きなどの機能が使えない)
状態によっては修理・交換が不要な場合もありますし、部品交換で済むのであれば支出を抑えることができます。
給湯器の修理と交換の判断は難しいですが、給湯器の製造終了から10年未満であればメーカー等に部品が残っていますので、部品を替えるだけで直る可能性があります。
(2)一斉交換する場合
賃貸アパートを建築してから一定年数が経過した場合、建物より先に給湯器が老朽化により故障する場合があります。
アパートの入居率は築年数だけでなく設備面も影響してきますので、給湯器が故障していなくても、相当の年数が経過している場合は交換も検討した方がよいでしょう。
給湯器を一斉交換するメリットは、同一性能の給湯器を安く購入・設置できる点です。
給湯器はメーカーや型式によって性能が違いますし、ある程度の規模のアパートであれば同じ種類の給湯器を用意するのも大変です。
給湯器の交換費用は本体価格だけでなく、設置費も含めて考える必要がありますが、専門業者に一括での設置を依頼することで、導入コストを下げることができます。
一斉交換のデメリットは、一度に用意する金額が大きくなる点です。
10室分の給湯器を交換するとなれば、通常の10倍の資金が必要になるため、交換費用を毎年積み立てておくなどの対策が必要です。
給湯器の一斉交換する時期は、10年がひとつの目安となっています。
一般家庭で使用する給湯器の標準使用期間は10年とされていますので、10年を経過した給湯器には老朽化が原因で故障等の不具合が起こる可能性が高くなります。
10年未満でも故障することはありますが、割合としてはそこまで高くないため、それまでの給湯器のトラブルは個別に対処できます。
(3)修理と交換はどちらがいい?
給湯器が故障した際、頭を悩ませるのが修理と交換の選択です。
修理と交換は、どちらが絶対に正しいということはなく、保証期間や使用年数を判断材料に選択することが大切です。
修理は支出を抑えられるのがメリットですが、ある程度使用年数が経過している給湯器は、修理しても短期間で再び故障する可能性があります。
給湯器の交換は一度の費用負担は重い反面、しばらくは故障する心配がありませんし、最新の給湯器を設置していることをウリに、入居者を募集することができるのが利点です。
メーカー保証の対象期間内であれば修理の方が支出を抑えられますし、10年以上使用している給湯器については、経年劣化を考慮して交換する選択をした方がよいでしょう。
5年から10年の間についてはケースバイケースとなりますが、給湯器の故障した申し出が続出しない限りは、しばらくは修理で対処しても問題ありません。
2.給湯器交換にかかる費用相場と保証
給湯器を交換する際の費用は、給湯器本体だけでなく設置などの工事費も加味しておきましょう。
(1)費用相場
給湯器の交換する際の相場は、設置する給湯器の号数や性能によって異なりますが、10万円から30万円くらいが目安です。
給湯器の号数は、「1分間に水温+25℃」のお湯をどれだけ出すことができるのかを数値化したもので、号数が大きくなるほどお湯を出せる量が多くなります。
一人暮らしであれば16号の給湯器でも十分ですが、二人暮らしや二世帯以上になると20号や24号の給湯器が必要です。
賃貸アパートは物件によって部屋の間取りは違いますので、広さに応じて入居される世帯人数を想定し、設置する給湯器の号数を合わせた上で交換費用を比較してください。
(2)メーカーごとの保証期間と保証内容
給湯器のメーカー保証期間は1年が基本ですが、主要な給湯器のメーカーである「ノーリツ」「リンナイ」「パロマ」の3社は、個別に保証制度を用意しています。
- ノーリツ
ノーリツでは、保証料を支払うことで長期保証を付けることが可能で、5・7・10年の保証プランを用意しています。
(保証プランの適用には条件があります)
- リンナイ
リンナイは「あんしんの3年保証」を利用すれば、通常1年または2年の保証期間を無償で3年にすることが可能です。
- パロマ
パロマは、パロマガス給湯器BRIGHTS(ブライツ)を購入した場合、保証期間が5年になります。
保証制度のしっかりしているメーカーの給湯器を選ぶことで、長期的な費用を抑えることに繋がり、アパート経営でメリットが大きくなります。
同じくらいのスペックや価格の給湯器で迷った場合は、保証内容についても検討するとよいでしょう。
(3)アパートオーナーにメリットのある給湯器とは?
給湯器の基本的なメーカー保証の期間は1年ですが、BL(ベターリビング)認定品については保証期間が2年となっています。
BL認定品とは、財団法人「ベターリビング」が優良住宅部品と認定した商品をいい、該当する給湯器にはBLマークが付いています。
BL認定品は保障期間が長いことはもちろんのこと、品質が認められた給湯器なので、耐久性にも優れています。
導入時の費用を抑えることができても、故障するまでの期間が短ければ長期的には損をする可能性もあります。
総合的な費用対効果を考慮し、BLマークが付いている給湯器を導入することも選択肢に入れるとよいでしょう。
3.アパートの給湯器交換で気をつけるポイント
賃貸アパートの給湯器交換では、修理・交換を依頼する業者選びも重要です。
(1)早く交換に来てくれる
賃貸アパートの給湯器交換は、時間との勝負です。
給湯器の交換が遅くなると入居者の方とのトラブルに発展する可能性が出てきますので、すぐに対応してくれる専門業者に依頼するのが安心です。
給湯器を一斉交換する場合には、必要な数の給湯器を準備して設置を完了させるまでにどのくらいの日数を要するかを確認しましょう。
いくら費用が安くても、工事が遅くなれば入居者の方に不便な生活を強いることになりかねません。
そういった不満からもし退居ということになれば、家賃収入が減少してしまいます。
(2)費用が抑えられる
給湯器の交換は、トータルでかかる費用をいかに抑えるかがポイントです。
本体価格が極端に安い場合、工事費が高く設定されていることもあるため、交換費用は合計金額で比較するようにしましょう。
専門業者に給湯器の一斉交換を依頼した場合、早期に設置工事が完了するだけでなく、工事期間の短縮により人件費などの設置コストを削減できる可能性があります。
(3)立ち会いが必要かどうか
給湯器は外に設置している機種もありますが、リモコンの取り換えなどで室内作業を行うため、一般的には立会人が必要です。
入居者の方の立ち会いが難しいときは、アパートオーナー様や不動産会社の担当者の方が工事に立ち会うことが多いです。
いざという場合に誰が立会人になるのかについては、事前に取り決めておくようにしましょう。
4.まとめ
入居者の方から給湯器が故障した旨の申し出があった場合、状態を確認し、必要に応じて修理・交換を行いましょう。
給湯器が故障した場合は、対応の遅れが重大な事故や入居者トラブルにも繋がる場合があります。
ちょっとした不具合も放置せず、できるだけ速やかに対処しましょう。
給湯器交換の流れを事前に確認しておくと安心です。
また、前回の交換から10年を経過した場合は、一斉交換することで不具合の頻発などを防ぐことができます。